弟よ。これだけは言っておく。君は、しらんだろうが君にはもう2人位兄か姉がいた。1人目は、よくしらんが2人目は殺された。 当時、母の腹の中には子宮筋腫という良性腫瘍があってそれを取り出す時に 君の兄か姉は、取り出された。 ついでに言うが、君は双子か四つ子になっていたかもしれない。 そういう薬を使ってたからだ。 君は、父と母にとってラストチャンスだったのだ。 ・・・という事で君は母の腹の中に現れた。 君は、覚えてないだろうが、私は母の検診によく付いて行ったものだ。 そして、君が生まれる3ヶ月まえにK記念病院に入院するハメになったのは Åクリニックに検診に行く前にレストランで食べたハンバーグの横に 付いてたポテトの塩分が原因らしいが、私に罪はない。 君は、しらんだろうが母以上に育児本を読んでいたのは私だ。 間違いない!!! そして君が生まれて来るまで3ヶ月間私と父は、城野ダイエーの惣菜と パン屋のパンで生活していた事も母が病院の減塩食でゆで卵ばかりだった 事も君は、しらんだろう。 しかも君は、帝王切開で誕生するはずだった・・・が君は、何を思ったのか 普通分娩で出てきてしまった。 さぞかし、切って出されるのがいやだったんだろう。 色々あって、いよいよ君が我が家にやってきた。 初めは、母が面倒をみていた。 そのうち、ミルク作りとか手伝った。 あんまり美味そうに飲むので味見したりした。 たぶん、君の口にいる虫歯菌はその時に伝染ったかもしれん。すまん。 離乳食も味見したが不味かった。 マズイのを平気でたべている君は、不思議だった。 まあ、私は君の毒味役だったといえるだろう。 それから私は、君のウンチ探知機だった。 両手で高い高いみたいにしてお尻をクンクンして「うぎゃー」と 言っていた。 母は、気が付かない事が多かったが私は敏感なのでいつも発見していた。 好き好んでしてた訳ないが・・・。 ちなみに君が始めて病院に行ったのは、検診ではなく便秘でだ。 人生初の病院で、浣腸初体験・・・。かなり笑える。 その時母は、慌てていて替えのオムツを持っていくのを忘れていて パニックになった事も忘れただろう。 君は本当にかわいかった。 かすかにミルクの香りがして、柔らかくて・・・。 おんぶ紐や抱っこ紐でよく外出したものだ。 私が押すベビーカーに乗るとすぐ寝てしまう子だった。 ただ、可愛さ余ってにくさ100倍というか・・・。 君があまりにもみんなに可愛がられ愛を一杯に受ける姿が羨ましかったのか 私は、君に途轍もないコンプレックスをもっている。 それは消えない。 そらはそれとして私は、君に愛情を注いだつもりだ。 君が、どう思おうと確かなことだ。 まあ、そういう訳で現在に至っているが、いつの間にか大きくなって 憎らしくも逞しくもなったものだ。 ただ、好き嫌いは直せ。病気になるぞ。 服は、片付けろ。もちろん、物もちゃんと片付けろ。 彼女位作れ。私の様には、なるな。 君は、鈍いトコがある。もう少し慎重になれ。騙されるな。 でも、私としては今のお茶目なトコも寒いダジャレも恥ずかしがりやで 不器用で、まあ真面目なトコも好きだ。 とにかく、これだけは確かだ。 いつまで経っても君は、可愛い私の弟だ。 幾つになっても、大人になっても・・・。 君は、それなりにかわいい。 |